東日本大震災から10年を迎えるにあたって(玉木雄一郎代表談話)

 2011年3月11日、巨大地震と未曽有の大津波により、多大なる被害が発生し、多くの尊い命が失われました。大震災により亡くなられた方々とご遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します。また、慣れ親しんだ暮らしを奪われ、今もなお避難生活を余儀なくされている方々をはじめ、すべての被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 あれから丸10年の歳月が経ちました。被災地の復興・再生に日々取り組まれている方々のご尽力により、多くの地域で、一歩一歩、暮らしと街の再建が進んでいます。一方、ハード面の整備は進んだものの帰還が進まない地域、大幅な人口流出が止まらない地域、復興から取り残されている地域や世帯も少なくない現状を重く受け止める必要があります。原因の分析も含め、被災者に寄り添ったきめ細かい対応が今まで以上に求められています。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、工事の遅れや観光の減少などが復興途上にある被災地に大きな打撃を与えています。被災自治体がそれぞれの実情にあった復興施策を推進することができるよう、十分な財源を確保することが必要です。国民民主党は、政策先導型政党として、国が責任を持って財源を手当てするとともに、コロナ禍にあって、一律10万円の追加給付など、暮らしを支える経済対策を実施するよう、強く求めていきます。

 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉については、作業の遅れ、中間貯蔵施設で保管される除去土壌等の最終処分、風評被害など、多くの困難な課題があります。昨年、風評被害への対応、営農再開の加速化等について、福島復興再生特別法の一部改正を行いました。原発事故処理、廃炉を進めるため、すべての政策手段を投入するとともに、福島県等の除染、処理水対策、福島県民の健康管理や福島県産水産物に対する輸入規制の解除について、国が責任を持って取り組むよう、引き続き強く求めていきます。

 被災者の「心」の復興も道半ばとなっています。目に見えるハード面での復興が重視されるあまり、孤独や孤立への対策、心のケアの重要性が見落とされがちです。災害公営住宅での孤独死を防ぐために見守り活動を行う団体への支援拡大、孤独を感じるときに相談できる体制の整備などを政府に求めていきます。

 国民民主党は、大震災の教訓を決して風化させず、様々な取り組みに活かしていきます。また、ハード面での復興だけではなく、被災者の心の復興・再生を実現するため、引き続き全力を尽くします。

国民民主党代表
玉木 雄一郎