【国民民主党学生部】値上げが続いて大変ですが・・・

こんにちは。

私は商流に関係する企業で大企業とも中小企業とも取引を行い、様々な話を伺っています。

今回は、学生部員(社会人)として、物価高騰についてお話したいと思います!

 

さて、皆さんも食料品の買い物や外食の際に物価の高騰を実感していると思います。

値上げか続く現状について、まずは、商流の観点から考えてみましょう。

 

輸入に依存する国、日本

 

①原料価格の値上げ

②輸入にかかる輸送費・燃料費の高騰

 

日本は輸入に依存しています。

様々な食品や原料が海の向こうで買い付けられます。

まず、この段階で①原料価格の値上げ、が行われます。

そして、買い付けられた物品は何らかの方法で日本まで輸送されます。

ここで②輸入にかかる輸送費・燃料費の高騰、があります。

遥々日本までやってきた物品は、二つの方向に別れます。

そのまま輸送され小売店にて販売されるもの、原料として加工現場に向かうものです。

後者を見てみましょう。

 

③加工過程における輸送費・燃料費の高騰

④原料仕入れ価格の高騰

⑤資材価格の高騰

 

ここで、港湾や空港などから加工場へと輸送される際にまたしても③加工過程における輸送費・燃料費の高騰、があります。

加工場に辿り着いた物品は、加工されて商品となります。

ここでは、④原料仕入れ価格の高騰、があります。加えて、⑤資材価格の高騰、も忘れては行けません。

例えば、商品を輸送するためにはダンボールに詰めたり、食品をフィルムや袋で包装したりする必要がありますよね。

そうした資材もまた仕入、輸送などの過程で価格が高騰しています。

 

⑥販売過程における輸送費・燃料費の高騰

⑦商品仕入れ価格の高騰

⑧小売価格の高騰

 

ようやく小売店等に出荷された商品には、またまた⑥販売過程における輸送費・燃料費の高騰、があります。

加工者はこれを踏まえた価格設定を行うため、小売は⑦商品仕入れ価格の高騰、を踏まえた価格設定を行います。

そして、私たち消費者が購入する際に実感する⑧小売価格の高騰、に到達する訳です。

如何でしょうか。

出来るだけ簡素にまとめたつもりですが、私たちがお店で購入するまでにはこうした商流が存在するのです。

こうした背景を踏まえ、事業者の負担や価格設定についても考えてみましょう。

 

 

物価高騰時代の価格設定

 

以上のように、様々な理由や過程で価格が高騰していきますが、高騰しただけ価格転嫁が行われているかと言うと、そうではありません。

例えば、原料の供給者が加工者に販売する際、40%の値上げを提示したとします。

加工者にとっては大きな負担ですが、他に適当な原料の仕入先がなければ受け容れる他ありません。

負担した値上げ分を全て価格転嫁すれば、加工者が損失を被ることはありません。

しかし、値上げによって販売数量が減少し、利益が減少する可能性もあります。

原料価格の他にも、資材設備費や人件費、光熱費等も考慮し、加工者は合理的な販売価格を決定する必要があります。

加工者が20%の価格転嫁を決断した場合、転嫁できなかった20%は何らかの方法で消化したり、負担したりする必要があります。

どのような方法が考えられるでしょうか。

 

価格転嫁できなかった分は・・・

より安価な資材や電気契約に切り替えたり、従業員を解雇したり給与を削減したりする可能性があります。

いずれの対策も採れない場合は、転嫁できなかった分を加工者が負担するので利益率が低下したり、赤字を計上したりすることになります。

全ての事業者が対等であれば良いのですが、実際は立場の強弱があり、インフレが続く中でも企業の業績は明暗が別れているのです。

例えば、ある財を供給する業者が三社の場合と十社の場合ではどうでしょうか。

より業者が少ない場合、競争が少ないため、販売数量を増やすために価格を引き下げたり値上げを抑制したりする必要性が弱くなりますよね。

即ち、需要と供給の均衡が取れていない場合、価格は極端に引き上げられたり引き下げられたりするということです。

小売側が強い場合、仕入先に対して値上げを控えるよう要請したり、値上げのタイミングを調整したりできます。

仕入先が強い場合、小売側からの価格交渉要請を拒否したり頻繁に値上げを行ったりできます。

 

負担を強いられている事業者がいる

皆さんも、「年内は価格据え置き」「値上げしません」といった広告を見たことがあるのではないのでしょうか。

消費者にとっては嬉しいことですが、何処かで代わりに負担を強いられている事業者がいるということでもあります。

今年三月に下請法(下請代金支払遅延等防止法)の改正が行われましたが、事業者間の優越的地位の濫用を防ぐことがその目的とされています。

市場原理がもたらす弊害については、行政が介入しなければ市場の不均衡が避けられないのです。

 

労働者の政党としての国民民主党

国民民主党は主要な支持母体として労働組合を擁しています。

労使協調を旨とする以上、労働者の政党であり、事業者の政党なのです。

物価高騰に関する議員諸氏の発言を見ていると、やはり、直接コミュニケーションを取っている事業者やその業界・業種の事情に偏った発言になっていると感じることがあります。

これから社会に出て働き始める学生の皆さんには、是非、社会経済の流れやバランスについて考える機会を持って欲しいと思う次第です。

私の好きな詩に近世英国の詩人ジョン・ダンの「誰がために鐘は鳴る」というものがあります。

これは国教会の司祭であった人物による説教の一部であり、経済的な話ではありませんが、誰もが何か大きなものの一部として繋がっていて、単独では生きてゆかれず、何一つ成し得ることは出来ないということは、政治が常に覚えておかなければならないことの一つだろうと思います。 

 

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